本来胎児の頭の位置は母体の下腹(骨盤)の方に位置しているのが正常です。分娩の時は胎児の頭から出てくるということですね。
しかしそれが逆になってしまい胎児の頭が上の方にある状態のことを「逆子」と言います。
鍼灸においての東洋医学的な説明をすると、陰陽という考え方では体の部位で言うと頭は「陽」、足の方は「陰」です。本来陰陽のバランスが整っていれば母体の下腹(陰部の方)に胎児の陽的な頭が収まって、陰陽のバランスがうまく取れているはずですが、お母さんの身体が冷えていると胎児は本来の頭を置いておく位置がどこなのかわからなくなってしまい逆子になると考えます。
鍼灸治療できるのはこの母体の冷えを改善して、陰陽のバランスを正常に戻すという事になります。
またなぜ冷えてしまったのかという事を考えるのもとても大切なことです。
例えばですが、母体は胎児を育てているので非常にエネルギーを消耗しますが、最近は妊娠中もフルタイムでお仕事をする方が増えています。このことは思ったよりも身体を披露させて生命力の低下につながるのと考えています。生命力というのは=熱です。体が極端に疲労するという事は生命力の低下=強い冷えを生むことにつながるのです。現状の産休システムなどからこの時期にも頑張って仕事をせざるを得ない妊婦さんにとっては、鍼灸治療をすることで身体を温めて冷えを改善していく事が母体にも胎児にもとても良い影響を与えます。
一般的には、冷えるというのは触って冷たい、寒い感じがするというイメージを持つと思うのですが冷えというのはもっと広義の意味を持っています。自分は足が冷たくないから冷えてはいないという事ではないのです。
冷えた状態というのは、水なら氷るしご飯も固くなりますね。人体も同じで冷えていると子宮の筋肉が硬くなってお腹全体も硬くなり胎児は母体のお腹の中で動きにくくなってしまいます。鍼灸の治療をうけると妊婦さんのお腹は、ふわふわと柔らかくなりお腹の張りもとれます。
ただ、28週目あたりまでは胎児は色々な位置に動くのでそれほど心配はありません。この時期を過ぎると胎児は大きくなって回りにくくなってしまいます。鍼灸治療を受けるならこの時期を逃さずに受診することが重要です。
逆子に関しては注意が必要なことが色々あるのでまた続きを書きたいと思います。