自分の身体を変えるという事

私は、36歳で月経随伴性気胸という難治性の病気になってから
自分にとっての健康観や、自分の身体を少しでも良くする、
あるいは現状を維持するにはどうしたら良いのか、という事を考え続けてきました。

このことは、自分が鍼灸師として仕事をする上での根幹となっています。
ある種の疾病観や、自分の身体への向き合い方は、誰しも持っていた方が良いと思います。
しかし病気をせず健康に過ごして来た方ほど、あまり考える機会がないのが普通です。

例えば、
みなさんは、不調の時に治療院や病院に行く時はどんな風に考えますか?
多くの方は、「この痛み(又は不調)をなんとかして欲しい。」と考える方が多いのではないでしょうか。

私もそうです(笑)

受診して、すぐ解消するような体の問題はそれでも良いと思います。
でも、体調不良が長期にわたっている場合・体の悩みが解消しない時は、
その考え方では、問題が解決しないという事です。
つまり、薬や施術だけでは、その状態を好転させるにはまだ何か足りないからです。
その足りないものが、生活習慣の見直し・改善だと、私は考えています。(先天性の疾患は別です)

この生活習慣の見直しは、正直とても大変です。
みなさん、今までと同じ生活を続けて(たとえ悪い習慣があると気づいていても)
体の症状が治ったほうが、楽で良いですよね…….。

でも、取り組むに値する価値があると思います。
私は投薬や施術は、あくまで体調を好転させる手助けだと思っています。
この手助けに生活を見直すことを加えると、相乗効果が生まれ、体が根本的に変化していきます。

これは私個人の考えですが、自分の体調を変えたい時に、主体となるのは患者さんご本人であって欲しいのです。

私が病気をした時、素晴らしいドクターたちに巡り合えて幸運でした。
そして自分が主体性をもって治療に臨むことで、ドクターから適切な情報を得られ
自分も納得した上で治療方針を決めることが出来たのはとても良かったです。

長期にわたって、病態をコントロールする為には女性ホルモンを抑制しなければいけないと
わかった時、運動や食生活を見直し「長期的に自分の身体をどのように維持して行くか」について考え、
これまで実践してきました。

主体性をもって取り組むことで、私は現在も病気と付き合いながらも、
自分で納得の行く健康的な生活を送ることが出来ています。
私の主体性を尊重してくれた主治医の皆さんに感謝の気持ちしかありません。

専門知識や施術を得た上で、主体性をもって自分の不調・病と向き合い、取り組む。

私自身の病気の経験が、水月鍼灸院の治療方針を作っています。

私に出来ることは、鍼灸治療で可能な限り、患者さんの苦痛・不調を改善します。
そして患者さんの根本原因がどこにあるのか一緒に探し、それを見直して行けるように
サポートし続けます。

体に悩みがあったり、辛い症状がある時は、気持ちも萎れてしまい
一人では取り組めないこともあると思います。

そんな患者さんの心が折れないように、治療とメンタルサポートで
患者さんの「治りたい!」「妊娠したい!」「健やかに生活したい!」という気持ちを
受け止め、患者さんの主体性を支えたいと思い、鍼灸師を続けています。

症状を取り去って終わり、ではなく
可能な限り不調を繰り返さない身体づくりを目指すのが当院の方針です。

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